離婚を考えている
お父さんお母さんへ
正しい離婚のガイドブック
「なるべく早く離婚したい」「子どもとの今後の生活が不安」など、
離婚前はたくさんの悩みがあると思います。
未成年の子どもがいる離婚では、離婚の進め方、決めるべきこと、離婚後の手続きなど、
子どもの生活を守るためにも「正しい離婚」を進める必要性が特に高く、
手続きをまとめたのでご活用ください。

未成年の子どもがいる離婚では、「離婚届」だけの提出は、正しい離婚ではありません。
離婚届に加えて、必ず子どもを守るための「公正証書」または「調停調書」を作成してください。
離婚条件の相談先
あなたの状況にあった
離婚条件の取決め機関へ
ご相談ください

離婚公正証書の作成
対象者:夫婦で離婚条件の取り決めができて、離婚協議書の作成ができた方
内容をもっと見る
お相手と離婚の条件が決まっている方は、公正証書に取り決め内容を残しましょう。
法務省が実施した「協議離婚に関する実態についての調査研究」によると、
子連れで協議離婚をした人のうち、養育費を公正証書で取り決めた人の割合は約24%にすぎず、
公正証書を作成しないで協議離婚する方の割合が7割以上となっています。

離婚した相手と養育費を
取り決めましたか?

調査数1,000/N
協議離婚に関する実態についての
調査研究業務報告書(令和3年法務省)
そもそも公正証書って?
公正証書は、法律の専門家である公証人が、公証役場という所で、本人たちの合意内容を確認して作成する文書です。
磐田市では、「公正証書」など養育費に関する債務名義を有する証書を作成した際、作成にかかった費用の一部を補助します。
-対象者や申請方法など-
公正証書を作らないデメリット
養育費が止まった時、調停・審判・訴訟などの手続をしなければ、給料差押えといった強制執行ができません。
実際、約6割の人が養育費を1度も受け取れていません。
もし、養育費が止まった時のことを考えて、しっかりと公正証書を作成しましょう。
約6割のひとり親家庭が養育費を
一度も受け取れない

手順1 夫婦間での合意
まずは、公正証書に記載する内容について、夫婦間で合意をしておく必要があります。
次のような項目です
- 親権
どちらが子どもの親権を持つか - 養育費
金額、支払い方法、支払期間 - 面会交流
面会の頻度や方法など - 財産分与
家、車、貯金などの分割方法 - 慰謝料
不倫やDVがあった場合の慰謝料の額と支払方法 - 年金分割
将来の年金を分けるかどうか
夫婦間での合意が必要となります。ご自身で、何をどのように決めるべきかを知りたい方は、この段階で弁護士や行政書士など法律の専門家に相談する必要があります。
ご自身または専門家と離婚協議書(養育費や財産分与など、事前に話し合って合意した内容をまとめたもの)を作成します。
- 法律の専門家に相談する場合:
公正証書作成サポートはこちら - 離婚前に決めるべきことの詳細はこちら
手順 2 公証人との事前打ち合わせ
公証役場で、公証人に合意内容を伝え(または離婚協議書のドラフトを提出して)、正式な公正証書を作成するための打ち合わせを行います。公証人は合意内容について法的に問題がないかを確認します。
必要に応じて質疑応答と修正が行われます。なお、公証役場は法律相談を行う場所ではありませんので、法律の専門家との相談は事前に弁護士または行政書士と打ち合わせを行うようにします。
- 法律の専門家に相談する場合:公正証書作成サポートはこちら
手順 3 公証役場の予約
予約と来所
必要資料をご準備の上、作成日の予約をした上で(通常3週間程度の予約期間が必要になります)、
平日の営業時間内にご夫婦で窓口にお越しください。
磐田市の方への公正証書役場
・浜松公証人合同役場
〒430-0946
浜松市中央区元城町219-21第一ビル2階
JR東海道新幹線浜松駅下車徒歩13分
053(452)0718
・袋井公証役場
〒437-0023
袋井市高尾1129-1 袋井新産業会館キラット 3階
JR袋井駅北口を出て右方向に徒歩1分未満
0538(42)8412
必要書類の準備
公証役場に持参する必要がある書類は以下の通りです。
- 本人確認書類
(運転免許証、パスポートなど) - 戸籍謄本
(離婚後の親権者を確定させるため) - 合意書やメモ
(養育費や財産分与など、事前に話し合って合意した内容をまとめたもの) - 印鑑
手順 4 公正証書の作成日
夫婦で公証人と公正証書の読み合わせをして、夫婦双方がその内容を確認し署名します。公証人もその場で署名し、
正式に公正証書として完成します。
手順 5 公正証書の費用
公正証書を作成する際の費用は、公証役場で支払います。
公証人費用は、法令で定められた金額となり養育費や財産分与等の金額に応じて異なります。
一般的には、17,000円〜55,000円程度の金額がかかることが多いです。
磐田市では、「公正証書」など養育費に関する証書を作成した際、作成にかかった費用の一部を補助しています。上限額は4万3千円です。
磐田市の養育費に関する公正証書等作成促進事業:ひとり親家庭養育費確保支援助成金
補助金の申請に必要な資料
- 養育費の取り決めを交わした文書
(公正証書、調停調書、判決書など)(ただし、令和4年4月1日以降に作成されたものに限ります) - 領収書
- 本人確認書類
(免許証、パスポート、マイナンバーカードなど) - 預金通帳
(※申請者ご本人さまの名義のものに限ります) - 世帯全員の住民票
- 戸籍謄本又は抄本
(申請者ご本人さま及びお子さまのもの) - 課税証明書
(申請者ご本人さまのもの)
申請先:磐田市の子育て支援課:こども未来課
手順 6 完成した公正証書の保管
公正証書が完成したら、夫婦双方と公証役場がそれぞれ保管します。
万が一、養育費の支払いが滞った場合、裁判所を通じて強制執行が可能ですので、公正証書は大切に保管しておきましょう。
公正証書は法的拘束力があるため、将来的なトラブルを避けるためにも、しっかりとした内容で作成することが大切です。
※タップすると表示されます。
離婚公正証書作成サポート
対象者:夫婦で離婚条件を話し合いで取り決めできる方は、離婚条件の論点整理と離婚協議書(公正証書案)の
作成サポートを弁護士または行政書士に依頼しましょう。
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お互いに離婚の条件に対して相談する意思がある場合は、公正証書作成サポートがオススメです。
しっかりと専門家とすりあわせて、公正証書として残しておくことで、
養育費が止まった場合も給与の差し押さえ手続きが可能となります。
公正証書について知りたい方:そもそも公正証書って?はこちらでご確認できます。
こんな方にオススメです
- 離婚条件を夫婦で話し合いが可能である
- 子どもの養育費、面会交流、財産分与など離婚条件をしっかりと取り決めたい
- 公証役場に夫婦で行くことは難しいため代理署名を依頼したい
- 公正証書作成と離婚成立を急ぎたい
そもそも公正証書作成サポートって?
公正証書作成サポートとは、弁護士または行政書士などの法律専門家が提供するサービスで、離婚する方が公正証書を作成できるように、一般的に次の3つの内容をサポートいたします。
夫婦で話し合って取り決める離婚条件を公正証書案(または離婚協議書)として起案します。
離婚条件を正確に契約書に落とし込むことは当事者にとって難しいことから、
一般的に弁護士または行政書士が文書作成を支援します。
公正証書案を最終化し、身分証・戸籍謄本・不動産登記情報・固定資産評価証明書など必要書類を依頼者に案内して収集をサポートします。
通常は専門家が日程調整までのサポートをして、当日は夫婦が公証役場に来て署名捺印を行います。
ただし、夫婦が公証役場に来られない場合、必要に応じて専門家が代理人として公証役場で
署名・捺印手続きを行う場合もあります。
公正証書作成サポートを利用するメリットとは?
1.専門家に相談して、離婚条件の詳細まで夫婦で取り決め可能
仮に、夫婦で離婚条件の細部まで取り決めをすることが可能であれば、夫婦で直接公証役場に相談に行くことも可能です。しかし、一般的に「何をどのような基準でどのように取り決めるのか」を抜け漏れなく夫婦だけで協議することは難しいため、専門家のサポートを受けることが多いです。例えば養育費を参考にすると、月あたりの金額・始期・終期・支払方法・特別費用の負担・進学時の条件・月額以外のボーナス条件など、取り決めの対象となる事項は多いことがわかります。
専門家に相談した上で公正証書案を作成すると、夫婦で離婚条件の詳細について検討する機会を設けることが可能です。
2.公正証書作成(離婚成立)までのタイムラインを早くできる
専門家のサポートを受けずに夫婦で直接公証役場に相談する場合、一般的には約3週間程度先の相談予約をとって公証役場で相談をして、その後、再度、約3週間程度先の公正証書作成日を設定するという流れになります。
したがって、少なくとも2回は公証役場に足を運ぶ必要があります。
他方、専門家がサポートして公正証書案を作成し、公正証書作成日の予約を取る場合、夫婦で公証役場に行く必要があるのは1回で済みます。
スムーズに進めると約1ヶ月で公正証書作成まで進めることが可能ですので、早く公正証書を作成したい、早く離婚を成立させたいという方は公正証書作成サポートの利用をお勧めします。
3.公正証書の法的効力はサポート利用の有無では差異なし
もしも養育費が未払いになってしまっても、強制執行認諾文言のついた公正証書を作成している場合、裁判所に対して「強制執行」を申し立てて相手の給与や財産を差し押さえることが可能です。このような「法的執行力」は公証人が作成することによって付与されますので、公正証書作成サポートを利用するか否かでは差異がありません。
ただし、公正証書作成サポートを利用することで、専門家から離婚条件について一次的にアドバイスをもらえるので、より夫婦の意図に沿った条件を盛り込むことができるようになるでしょう。
公正証書作成サービスの手順
手順1 サービスの選定
離婚公正証書の作成に精通した弁護士または行政書士に依頼するようにしましょう。
紛争性があり、協議離婚ができるか不透明な場合、弁護士に相談することをお勧めします。
紛争性が無く、夫婦で取り決めた条件を離婚公正証書にする必要がある場合には、行政書士に相談することで費用を抑えることも可能です。
磐田市の養育費保証助成金と組み合わせることで無料で利用できるサービスもあります
手順2 初回相談
作成したい公正証書の内容について弁護士または行政書士に相談します。相談結果に応じて、更に離婚条件の詳細について夫婦で話し合いを行います。
夫婦で離婚条件の詳細について取り決めができたら、書面作成の依頼をしましょう。専門家に対してサービス手数料を支払います
(料金は専門家によって異なります)。
次のような項目です
- 親権
どちらが子どもの親権を持つか - 養育費
金額、支払い方法、支払期間 - 面会交流
面会の頻度や方法など - 財産分与
家、車、貯金などの分割方法 - 慰謝料
不倫やDVがあった場合の慰謝料の額と支払方法 - 年金分割
将来の年金を分けるかどうか
手順3 離婚協議書の内容確認
弁護士・行政書士が作成した公正証書案(離婚協議書)について、夫婦のそれぞれが最終確認を行い、必要に応じて記載内容の修正を依頼することもあります。
夫婦で公正証書案(離婚協議書)の内容確認が完了したら、弁護士・行政書士に対して連絡をしましょう。公証役場との最終調整・日程調整・署名当日の手続き調整等を進めていくことになります。通常、公正証書作成日まで、3週間程度の予約期間が必要になります。
手順4 必要書類の準備
※公正証書の種類や内容によって必要な書面が異なります。詳細は、専門家相談の際にお問い合わせください。
- 写真付きの身分証明書
(運転免許証やマイナンバーカード) - 世帯全員記載の戸籍謄本
- 財産に関する書類
(不動産の登記情報、固定資産評価証明書など) - 基礎年金番号を証する書類
(年金分割をする場合)
手順5 公正証書作成日
※公正証書の種類や内容によって必要な書面が異なります。詳細は、専門家相談の際にお問い合わせください。
- 写真付きの身分証明書
(運転免許証やマイナンバーカード) - 印鑑
(実印または認印) - 現金
(公証人手数料は事前に連絡を受けます)
事前に公証役場へ申し込みをするため、公正証書の作成日には準備して出来上がっている公正証書を公証人と夫婦で読み合わせをして、署名・捺印手続きを行います。当日は、夫婦で話し合う必要はありません。公正証書を確認する手続きは僅かな時間(通常は20分〜30分程度)で済みます。
夫婦が遠方に別居中の場合、または、夫婦で顔を合わせたくない場合などは、専門家に署名捺印を依頼することも可能です(料金は専門家によって異なります)。
公正証書を作成した後、その足で市役所・区役所で離婚届の提出も行うことが一般的です。
※タップすると表示されます。
ADR(裁判外紛争解決による協議離婚サポート)
対象者:夫婦だけでは離婚条件の話し合いが難しい又は不安な方で、第三者機関(専門家)を交えての話し合いにお互いの納得感が得られる場合、法務省認証のADR機関への相談を検討しましょう。
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裁判をせずに離婚の話し合いを行う方法です。
専門の調停人が間に入り、夫婦が納得できる解決策を一緒に考えます。
ADRの平均的な費用は、一般的に数万円となり弁護士に依頼するよりもリーズナブルとなっています。
法律家の専門家にオンラインでご相談が可能で、専門家がご夫婦間の離婚協議のサポートから公正証書案の作成、公証役場との調整等までを一括して代行することが可能です。専門家は、中立的な立場で論点を整理し、円環な合意形成を支援します。

そもそもADRって?
離婚ADR(裁判外紛争解決手続)は、夫婦の離婚問題を家庭裁判所ではなく、民間の紛争解決機関(弁護士会または法務省認証ADR機関)を通じて話し合いで解決する方法です。夫婦だけで話し合いをするのではなく、弁護士やその他の専門家が仲介し、お互いの意見をまとめたり解決の手助けをしてくれます。
こんな方にオススメです
- 離婚条件について、お互いに譲歩し、冷静かつ建設的な話し合いが可能である
- 子どもの監護計画や養育費について詳細を取り決めたい
- 家庭裁判所の調停より早期解決・オンライン手続・土日夜間など柔軟な手続きを希望
- 多少の料金を支払っても専門家を交えて透明性のある話し合いをしたい
ADRと調停の違い
| 項目 | ADR離婚 | 調停離婚 |
|---|---|---|
| 手続きの場 | 弁護士会や民間のADR機関 | 家庭裁判所 |
| 第三者の役割 | 中立な専門家(弁護士などの専門家)が 進行役を務める | 家庭裁判所の調停委員 (法律専門家ではない)が進行役を務める |
| 実施日程 | 時間・場所・進め方が比較的自由なため、機関によってはオンライン・土日夜間なども対応可能 | 2ヶ月に一回、平日昼間という裁判所のスケジュールに従う必要がある |
| 合意成立方法 | 調停官である弁護士が一方的に決めることはできないため、双方の合意が不可欠。 | 離婚成否に関しては夫婦の合意が必要。 ただし、養育費や財産分与は裁判所の審判で決めることもある。 |
| 合意文書の強制力 | 合意文書を公正証書にすることで執行力を付与することが可能(ただし、法務省認証ADR機関の特定和解では養育費に関して法的執行力あり)。 | 調停調書は判決と同じ効力を持つ |
| 費用 | 約5万円〜40万円程度 (ADR機関によって異なる) | 弁護士に依頼しない場合、申立手数料1,200円+郵便切手のみ ただし、弁護士に依頼した₊報酬金がかかります。 |
| 利用条件 | 双方が同意すれば利用可能 | 双方の同意は不要 |
ADR離婚手順
※依頼機関によって手順が異なる場合がございます。
手順1 ADR機関の選定
弁護士会または民間ADR機関から適切な団体を選びます。
申立前の相談を行うことで、調停手続きの流れや手数料の確認を行います。
家事事件を取り扱う認証紛争解決事業者はこちら
手順 2 調停の申立て(申請手続き)
申立てには以下の書類が必要になる場合があります
- 顔写真付きの身分証明書
- 世帯全員記載の戸籍謄本
事業者によって申請手数料が必要になります。
手順 3 相手方に意向確認
相手方に手続き参加を承諾するかどうかのヒアリングを行い、同意が得られた場合、手続きの流れや
手数料について説明を行った上でカウンセリングを行います。
手順 4 協議の設定
話し合いは原則として中立な場で行われます(ADR機関の事務所やオンラインなど)。
次のような項目です
- 親権
どちらが子どもの親権を持つか - 養育費
金額、支払い方法、支払期間 - 面会交流
面会の頻度や方法など - 財産分与
家、車、貯金などの分割方法 - 慰謝料
不倫やDVがあった場合の慰謝料の額と支払方法 - 年金分割
将来の年金を分けるかどうか
手順 5 条件に合意し、調停の成立
お互いの希望条件が合致すれば、調停成立となり、合意書を作成します。
ADR機関に対して成立手数料を支払います(手数料はADR機関によって異なります)。
※公正証書の作成に移行することが一般的です。夫婦が公証役場に行って作成するか、または、専門家が公証役場で代理署名を行うことになります。
裁判所の離婚調停
対象者:夫婦間での離婚条件協議が難しい方、特に離婚の方向性に争いがある方、
親権者の取り決めに争いがある方は、裁判所の離婚調停の利用を検討しましょう。
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そもそも離婚調停って?
離婚調停は、家庭裁判所で夫婦が話し合いをして、離婚やその条件を決めるための手続きです。調停委員(男女1名ずつの中立な人)が仲介し、夫婦それぞれの主張を聞いてくれます。離婚条件に合意が成立した場合、「調停調書」に記録され、裁判所の判決と同じ法的強制力を持つため、合意した内容が不履行になった場合には強制執行も可能です。
家庭裁判所では、調停委員との協議を夫婦同席で行う同席調停、または、夫婦が時間をずらして交互に調停委員との話し合いを行う別席調停のいずれかを選択することが可能です。離婚調停を選択する夫婦の場合、高度な葛藤を抱えた状態になっていることが多いことから、別席調停を選択することが一般的です。
弁護士をつけての調停と弁護士をつけない調停の割合は大体半数ずつになります。

次のような調停離婚の場合、一般的には弁護士に依頼することが推奨されます
- DVなど夫婦間の連絡を制限する必要がある場合
- 子どもの親権について夫婦間で争いがある場合
- 高額または複雑な財産分与の整理をする必要がある場合
こんな方にオススメです
- 一方が離婚に同意していない場合
- 相手と直接話し合いが成立しないため、第三者に仲介して欲しい場合
- 財産分与や養育費など、具体的な条件を第三者に調整してほしい場合
離婚調停のデメリット
- 離婚成立まで時間がかかることが多い(半年~3年)
- 弁護士に依頼した場合、費用が高額になる
離婚調停の手順
手順1 申し立ての準備
必要書類
- 申立書
(家庭裁判所の窓口やWebサイトで取得可能) - 戸籍謄本
(離婚調停の場合は必須、取得後3カ月以内のもの) - 収入印紙
(申立手数料として約1,200円分) - 郵便切手
(裁判所からの送達手続等に必要) - 住民票
※別居中の場合 - 給与所得の源泉徴収票や給与明細
(養育費の算定のため) - その他
(年金分割や不動産分与等の有無により異なる)
どこに申し立てる?
相手方の住所地を管轄する家庭裁判所
※夫婦が別居中で遠方に居住している場合、電話での調停参加が認められることが一般的です。
手順2 調停期日の決定
家庭裁判所から調停期日が通知されます。
通常、申立てから約2カ月後に第1回目の調停期日が開かれます。
手順3 調停の開始
家庭裁判所から調停期日が通知されます。
通常、申立てから約2カ月後に第1回目の調停期日が開かれます。
必要書類
調停では、必要に応じて、あなたの言い分を裏付ける資料を提出していただくことがありますので、
調停委員の指示にしたがってください。
夫婦それぞれが別々の部屋に入り、調停委員が間に入って話を聞きます。
調停委員(男女1名ずつ)が中立の立場で双方の意見を調整します。
調停委員が内容を整理し、双方が合意できるようにサポートします。
※夫婦が直接顔を合わせる必要はありません。
次のような項目です
- 親権
どちらが子どもの親権を持つか - 養育費
金額、支払い方法、支払期間 - 面会交流
面会の頻度や方法など - 財産分与
家、車、貯金などの分割方法 - 慰謝料
不倫やDVがあった場合の慰謝料の額と支払方法 - 年金分割
将来の年金を分けるかどうか
手順4 調停(離婚)の成立・不成立の際の対応
- 調停は1~2カ月に1回程度行われます。
- 6カ月未満で調停成立するケースもありますが、離婚するかしないかで揉めているケースや
子どもの親権争いが深刻なケースでは3年程度かかることもあります。 - 相手方が2回連続で調停期日に出席しない場合、調停不成立として打ち切りとなる可能性が高いです。
離婚成立の場合
双方が話し合いで合意できれば、「調停調書」が作成されて、離婚が成立します。
調停成立から10日以内に離婚届を市区町村に提出する必要があります。
離婚不成立の場合
話し合いがまとまらない場合は「調停不成立」となります。
調停不成立の後、離婚裁判を提起することが可能です。
離婚裁判を提起するためには予め離婚調停をやらなければならないというルールがあり、これを調停前置主義と言います。
離婚前に決めるべきこと
①親権

親権
離婚時に未成年のお子さんがいる場合、協議離婚・調停離婚・裁判離婚のいずれの手続きを選択する場合でも、お子さんの「親権者」を決める必要があります。
親権は、大きく身上監護権(日常的な世話や教育)と財産管理権(財産に関する法定代理権)に分けられます。
婚姻期間中は、父母が共同で親権を行使しますが、離婚する場合、親権は父母のいずれか一方しか持つことができません。
協議離婚や調停離婚の場合、話し合いにより親権者を決めることになります。
他方、どちらも親権を譲ることが出来ず、解決が困難な場合、最終的に、離婚裁判の中で、裁判所が職権で一方当事者を親権者として定めることになります。
➡これは離婚を成立させるために法的に必須な項目です
②子どもに関する取り決め
養育費
子どものために支払う養育費は父母の収入、勤務形態、子どもの年齢と人数などによって、裁判所で使われている養育費算定表に従って簡単なシミュレーションをすることができます。
簡単にシミュレーションはこちら
ただし、特別費用(子どもの習い事、私立学校学費、進学費用、医療費等)について特別な合意が必要なケースや、父母の一方に連れ子がいる場合には、簡易なシミュレーションだけでは決められないケースも多くあります。
養育費の終期(高校卒業までの支払いとするか、大学等の卒業までとするか等)も父母間で話し合って取り決めが必要になります。
面会交流
面会交流の頻度について争いがある場合、父母間の争いを再燃させないためにも面会の頻度について取り決めをしておくことは効果があります。頻度に争いがある場合の一般的な頻度は、月に1回~2回です。
特に、子どもが10歳を超えているような場合、子どもの気持ちを尊重しながら、面会交流の頻度を決めることが重要です。
・こどもの健やかな成長のために(法務省パンフレット)
「こどもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A」はこちら
③財産分与
結婚後に夫婦が協力して形成した財産であれば、名義を問わず、原則として財産分与の対象となります。
具体的には、預貯金、不動産、金融資産、退職金も含むため細かく整理する必要があります。
預貯金
預貯金の財産分与においては、結婚後に形成された預貯金が対象となり、結婚前の預貯金は分与の対象外となります(特有財産といいます)。また、児童手当等を子ども名義の銀行口座で貯めている家庭も多いですが、原則として財産分与の対象になります。離婚前に夫婦が別居している場合、別居開始時の預貯金残高が財産分与の対象となり、別居後に増減した分は原則として財産分与の対象になりません。
不動産
不動産の財産分与においては、不動産の評価額、住宅ローンの存在を考慮する必要があります。不動産の価値は時価で評価されますので、不動産会社から査定を取得し、または、自治体から固定資産評価証明書を取得する必要があります。また、不動産の取得に際して頭金を特有財産から出している場合や、住宅ローンが残っている場合などは、財産分与の方法に影響を及ぼしますので、特に注意が必要です。
金融資産
金融資産の財産分与においては、株式、投資信託、個人年金、iDeCo (個人型確定拠出年金)、ゴルフ会員権、生命保険、学資保険、仮想通貨など多種多様な金融資産の有無について検討する必要があります。また、財産分与による資産の譲渡には税法、すなわち譲渡所得税や贈与税が課税される可能性にも注意が必要です。
車両
車両の財産分与においては、車両の評価額、所有名義人、使用者名義人、自動車ローンの有無等を考慮する必要があります。
退職金
退職金分与においては、退職金が財産分与の対象となるかが重要な問題となります。既に支払われている退職金は財産分与の対象になりますが、勤務年数と婚姻年数によって財産分与の対象額が算定されます。また、将来給付される退職金については、会社が倒産する可能性や給付額が大幅に減少する可能性があるため、財産分与の対象となるかが問題となります。一般的には、離婚後数年以内に退職金が確実に支払われると考えられる場合、財産分与の対象とすることが検討されます。
④マイホームに関する取り決め
住宅ローン名義人がそのまま住む
住宅ローンと不動産登記の名義人がそのままマイホームに住み続ける場合、住宅ローンや登記名義の変更の必要がないため、特段の手続きは必要ありません。ただし、代償請求(不動産を受け取らない者が代わりに金銭を受け取る方法で精算すること)について別途検討する必要があります。
住宅ローンの名義人を変更する
例えば、夫名義の住宅ローンを離婚後は妻名義の住宅ローンに変更する場合、金融機関にてローン審査を行うことになります。金融機関からは離婚に伴う財産分与で不動産名義を変更することを証する文書(離婚協議書または離婚公正証書)を求められることになります。
住宅ローンの名義人を変更せずに非名義人が住む
例えば、夫名義の住宅ローンと不動産登記を残したまま、離婚後は妻と子どもがそのままマイホームに住み続けることもあります。この場合、夫から妻に対して不動産が分与されますが、妻の収入に鑑みて住宅ローンを組むことが難しい場合、このような方法が取られます。
夫が養育費の支払いに代えて住宅ローンを支払うこともあれば、または、離婚後の妻子の生活を扶助する目的で養育費に加えて住宅ローンを支払うこともあります。
家を売却する
一般的には不動産売却代金で住宅ローンを支払った後に残金がある場合、売却後に手元に残った売却利益を半分ずつの割合で夫婦で分けることになります。他方、不動産売却金額が住宅ローンの完済額に満たない場合、売却後に残った住宅ローン残債は、ローン名義人が負担することになります。ただし、夫婦間で売却後の処理については話し合いをしましょう。
⑤慰謝料
離婚の慰謝料は、離婚によって精神的苦痛を被った配偶者が、離婚に至る原因を作った有責配偶者に対して請求できるお金です。慰謝料の相場は、離婚の原因や事情によって大きく異なります。
法テラスでは、離婚の慰謝料請求に関する無料法律相談を受けることができます。法テラスは国が運営する法律支援センターで、経済的に困窮している人を対象に様々な支援制度が用意されています。
⑥年金分割
年金分割とは、離婚時に婚姻期間中の厚生年金の保険料納付記録を夫婦間で分割する制度のことを指します。厚生年金に加入している場合、厚生年金の報酬比例部分のみが分割の対象になりますが、国民年金や企業年金などは対象外です。
離婚にあたり決めたことは、公正証書にしっかりと残しましょう。
②~⑥は公正証書での取り決めが強く推奨されている五つの項目です。
➡子どもの生活を守るために、必ず取り決めを行ってください。
磐田市には、養育費の取り決めに関する公正証書作成や調停申立て等に要する費用の一部を助成する補助金があります。
離婚の手続き

離婚届の提出
離婚する場合の手続きについて下記にて説明します。
離婚届の受け取りや提出の詳細は、磐田市役所の市民課や各支所にお問い合わせください。
弁護士・行政書士による無料電話相談
離婚を検討されている方が抱える法律問題(養育費・親子交流等)に対し、磐田市と事業連携している株式会社チャイルドサポート※の専門家(弁護士または行政書士)が、電話相談に乗ります。
※株式会社チャイルドサポートは、法務大臣認証のADR機関となります。ADR手続とは、法務大臣が認証した民間事業者による裁判外紛争解決手続であり、弁護士と同じく法令上の守秘義務を負っています。
相談内容
未成年のこどもがいる離婚前後の親に対して、親権、養育費、親子交流、財産分与等の夫婦間取り決め方法
(公正証書の作成またはADRのご利用)に関する相談
対象者
協議離婚を検討されている方
受付時間
対応 : 月曜日 ~ 金曜日(祝日を除く) 9時から22時まで
時間 : 45分程度/回
利用方法
事前予約制となります。